株式会社TRUST
代表取締役 山口 一

1980年、千葉県生まれ。プロのDJを目指して高校を中退。資金を稼ぐために建築測量会社に入社。
2004年、独立し個人事業主として建築測量業務を行う。 2010年、DJとしての人生よりも、経営者としてビジネスを創る面白みとやりがいを感じ、株式会社TRUSTを設立。

早速ですが、どのような経緯で独立に至ったのでしょうか?

建築測量会社で社員として働いていたのですが、上司が転職や独立をして、いつの間にかナンバー2として会社の営業活動全般を任されていました。しかし、当時の社員が、社長ではなく私の指示しか聞かなくなってしまったのです。
当時は、私自身も会社がうまく回るようにと頑張っていましたが、ある時から半年間ほど、私も部下もお給料が支払われず、ついに社長に「限界です」と相談したところ、最終的には「独立しろ」と言われ、起業を決めました。

もともと、独立は考えていたのでしょうか?

実は、学生の頃からプロのDJを目指していたこともあって、効率的にお金を稼げる方法として、独立を選びました。だから、当時も別の会社への転職は考えていなかったですね。
それまでも、社内や現場のことをすべて対応していましたので、大丈夫だろうという多少の安心はありましたね。
ただ、周りに独立した人がいなかったので、参考となる本を買って勉強をしました。

独立当初から、大変な経験をされてきたと思われますが、今までに危機などはありましたか?

2度ありました。1度目はリーマンショックの時ですね。
当時は、建築測量事業のみでした。リーマンショックの影響で建築関係の工事がストップし、数少ない仕事を取り合うようになりました。下請けだった私たちは大打撃を受けました。
もちろん、仕事がなくなってから飛び込みで仕事をとってきて、短期的には凌いでいましたが、1つの事業部だけでは社員を守れないと考え、事業多角化を考えるようになりました。
2度目は、4年程前に、飲食事業を拡大していこうと展開した際でした。百貨店からの出店依頼に、マーケティングなども行わずに、「百貨店」という言葉だけで、チャレンジしたんですよね。
商業施設は、店舗に数名常駐しなければならないことや、テナント料金などが嵩み、半年くらいで1億円以上の赤字になってしまったんです。
もちろん、銀行も見向きもしない、融資もしてくれないですし、つぶした方がいいと言われたこともありました。

そこから、どのように乗り越えたのでしょうか?

社員全員に、現状を打ち明けることにしたんです。「力をかして欲しいが、辞めるには今辞めた方がいい」と。
結果、辞める人は一人もいなかったです、みんなが必死に会社を残すために頑張ってくれたんですよね。意識が変わって、行動も変わるようになり、今まで取れなかった大きな受注がとれたことで、なんとか回復することができました。
何より、諦めずに、みんなで頑張れたことが、大きな要因ですね。良い仕事をしてお客様が信頼をしてくれれば、売上はついてくると思っています。
危ない会社にいるってリスクだとは思いますが、そこに残ってくれたというのは、みんなが会社を残したい、絶対大丈夫だと思っていてくれたからだと思います。

そのような社員の皆さんのことを信頼している山口社長ですが、
今後どのような方と一緒に働いていきたいですか?

ビジョンやカルチャーがフィットする方ですね。
経験とかスキルを第一にしていませんし、同じ想いで仕事をしたいと思っています。
ホームページやこのようなインタビューもそうですが、社風が見えやすいように情報を外に出しているので、「働いている人が楽しそう」とか「○○を見て、共感しました!」と言ってもらえることが多いんです。
そのように、きちんと我々の会社のことを理解して、それでも一緒に働きたいと思って下さる方と、一緒にお仕事をしていきたいですね。

今後、会社としてはどのようなことに力を入れていく予定ですか?

経営で一番大切なことは、理想と現実のギャップを埋めることだと思っています。
社風を大切にしながらも会社の利益をあげていくこと、またウェットとドライな部分を並走することが重要になると考えています。
一昨年から社員総会をスタートしたり、昨年度には人事専属のスタッフを迎え入れ、評価制度を導入したりと体制を整えてきましたが、課題が見えてきたこともありますので、今期はそれらを実行に移す年にしたいと思っています。

最後に、一言メッセージをお願いします。

起業する際には、きちんと準備をすることや事業展開する際には、自分たちの強みや弱みを把握した上で進めることは基本ですね。
また、色んな業界や先輩経営者と会って話をすることも重要だと考えています。私自身は、何も知らずに起業したので、周りの方からの教えがあればもっと最短のルートで起業ができたのではないかと思いますし、何も知らないまま事業展開したので、今考えると恐ろしいですね(笑)。
経営理念、行動指針の名文化も重要ですね。我々も、「TRUSTっぽい」という言葉で社風を表現していたのですが、人が増えていくと、社員の言葉や行動だけでは伝わらなくなりましたし、悩んだ時に方向性を見直すキッカケをつくる意味でも、「TRUST PRIDE」という14箇条をつくって明文化しました。このことで上司、部下関係なくフラットな意見交換やリクエストが出来るようになりました。